2023年12月2日(日)、父親向け料理講座「俺たちの定番メシ!パパごはんクッキング」がウェルピアながいずみで開催されました。
父親の家事参画を応援したいという長泉町が主催し、弊社が企画・運営協力をしました。
「今日はレシピを学ぶというよりも、料理との向き合い方や料理を探求することのおもしろさを見つけてもらえたら」と伝えたのは、講師のクックパッド㈱コーポレートブランディング部長、横尾祐介さん。
参加したのは町内在住で子育て中のパパさんたち、8名です。
おいしさと味のバランスや自宅での再現しやすさを考えて、横尾さんが考案したこの日のメニューは「牛肉と白ねぎのわさび醤油炒め」「柿のサラダ ハニービネガー風味」「するがの極のご飯とネギの味噌汁」の4品。
牛肉はもちろん長泉町が誇る特産品「あしたか牛」。
町内産の白ネギや四ツ溝柿、桃沢わさび、お米(するがの極み)もおいしさがお墨付きの地元産の食材です。
長泉町の職員さんによる食材の説明もありました。
参加者の8割が料理初心者さんでした。
「奥さんが知らないうちに申し込んでいた」
「奥さんに家で再現できるように学んできてねと言われた」
「料理は冷凍うどんをゆでるくらいしかできない」方もいれば
「学生時代に節約レシピで料理していた」という方も。
調理に入る前に横尾さんから「なぜ地元の食材を使って料理するのがよいのか」と皆さんに質問です。
「新鮮だから」
「生産者が近くにいると親近感があっておいしいと感じるから」
「同じ環境で生きているものだから、自分たちの体に合っているのでは」
「輸送コストが抑えられてCO2削減となり、SDGsにつながるから」
などの発言が続きました。
「明確な証拠があるわけではないですが、鶏肉とたまご、野菜など同じ大地で生きるもの同士の組み合わせは合わないわけがない、おいしいという料理人がいます」
「また、地域の食は文化の伝承、経済をまわすことにもつながっています」と横尾さんは言います。
「料理は段取りが大事」ということで、グルーピングするとわかりやすくなるとして表を書いてくださいました。
味のバランスを考えるときに指標となる「五味」についても説明していただきました。
甘味、苦味、塩味、酸味、旨味の5つの味覚のことです。
メニューを考えるときに、5つすべてを入れる必要はないけれど「甘味はネギ、酸味はビネガー、旨味は牛肉」など、食材が何の味に当てはまるのか考えて組み合わせると、味がまとまるそうです。
地産地消やグルーピング、五味について学んだところで、デモンストレーションに移ります。
野菜は全部切っておき、三品のうち冷めてもよいサラダを一品め、次に味噌汁、最後に牛肉の順に仕上げていきます。
牛肉は脂身を削いでからシンプルに焼き、火を入れると甘みの出るわさびと醤油で炒めます。
牛脂はよい脂だからということで、味噌汁の出汁に使いました。
シャキシャキ食感の柿は、ぐにゅっとした食感のトマトと合わせて食感に変化を持たせます。
「初心者の人は三品つくらないといけない、などの献立の呪縛にとらわれなくてよい」と横尾さん。
最初はパスタ一品だけなど、少しずつ試してみるとよいそうです。
いよいよ2人1組となって調理を始めました。
「段取りが大事ですね」
「もはや実験ですね」
「これだけやれたら奥さんにほめられますね」など会話しながら協力し合う皆さん。
慣れない包丁や鍋の使い方に苦戦しながらも、無事に料理が完成しました。
笑顔で「おいしい」を連発しながらいただきました。
満腹になった皆さんの感想です。
「あとで振り返りをして、家で再現したい」
「これから料理を反復していくなかで、自分らしい料理をつくりたい」
「柿が苦手だったが、おいしくてびっくりした。新鮮な味だった」
「料理は一品ずつ仕上げていくものだと思っていたが、同時に3つもつくれて嬉しかった」
「料理の工程を図解したものを初めて見た。苦手意識があったけれど、一歩踏み出してみたい気持ちになった」
「ペアの方の手際がよくて、楽しかったし励みになった」
おわりに、横尾さんから「料理は誰に、何の目的でつくるのかが大事。子どもなのか大人なのか、元気がある人なのか、ない人のかなど考えてほしいです」
「料理は予算やツールが限られた中で何を生み出せるのかを考える、ゲームみたいなもの。分解できるつくり方は、仕事の工程と変わりません。温かい状態でゴールさせたい、というゲーム的な感覚で楽しんでみてください」とアドバイスをいただきました。
参加者の皆さんが今回の講座を機に、料理に親しみ、パートナーやお子さんに喜ばれるようになると嬉しいです。
一仕事を終えて、晴れやかなお顔の皆さんと一緒に。
料理教室のあとは、長泉町の柏木課長とともに横尾さんを町内の名所にご案内しました。
あしたか牛の味付けに使ったわさびの生産地、桃沢の滝行ができる愛鷹水神社、会館50周年を迎えるベルナール・ビュフェ美術館を訪問。
館内のカフェ「ツリーハウス」で食事もご一緒しました。
横尾さん、一日お付き合いいただきありがとうございました。
静岡でわさびと言えば天城産がよく知られていますが、静岡県の湧き水百選に選ばれている愛鷹山の麓の山間にある桃沢川の伏流水で育った長泉のわさびも絶品です。
ぜひお試しください。
◆2023年12月5日付静岡新聞に当企画の記事が掲載されました。
https://qr.paps.jp/xzx0Y